或る二世経営者のホームページ ~香山廣紀 かく挑み、かく歩む。~

香山草紙 エッセイ集


  103.齋藤真嗣という男

齋藤真嗣(さいとうまさし)は医者である。それもかなり著名な医者である。彼はニューヨークと東京を往復する生活をしているが、今や地球規模で活動してい る。南アフリカにいたかと思うと、ミラノ大学で講義を行ったり、韓国の医療雑誌に投稿していたりする毎日である。趣味はゴルフだが、この前に会った時は 「昨年は6回しかラウンドできなかった」と嘆いていた。
彼のクライアントには、信じられない人物の名前が連なる。最も親しくしているのは、あのビル・ゲイツだ。ビル・ゲイツとは単なるクライアントと医者の関係 だけでなく、囲碁でも師弟関係にある。もちろん師は齋藤先生である。彼が私の主治医でもあるということが、私の最近の自慢話のひとつだ。齋藤先生とビル・ ゲイツと私の3人でフェアウエーを歩く姿を想像するだけで、爽快な気分に浸れる。
彼と私の出会いは、友人の紹介によるものだった。友人のご子息がアメリカの大学に留学していた時に齋藤先生と知り合い、そこから互いに名前で呼び合う仲に なったそうだ。しかし、私はもう少し前から彼を知っていた。彼が執筆した書籍『体温を上げると健康になる』(サンマーク出版)を読んでいたのである。私は 35.5度と平均体温が低いので、ある時、本屋でそれが目に留まり、買い求めていたのだった。
昨年、彼の指導のもと、東京の前田病院(白州次郎が永眠した病院として知られる)で人間ドックを受け、今年もお世話になった。彼は39歳の爽やかな好青年である。
彼の専門は「腫瘍」と「血液」であるが、「いかに人間が健康で長生きできるか」という永遠のテーマに正面から取り組んでいる。彼が提唱する健康法は以下の 3つで、それらを継続することにより、細胞が活性化し、いつまでも若さが保たれるという。
①ウォーキング…1日7,000~10,000歩を歩く。
②食材…とにかく葱類(青葱・玉葱・にら・にんにく等)をできるだけ多く摂取する。
③睡眠の時間帯…夜10時から午前2時までの間は就寝する。
彼は、「香山さん、あなたのアンチエイジングは任せてください」と、目をキラキラ輝かせながら言ってくれた。世界のどこにいても、1日に100通以上メー ルが送られてくる中、私が送ったメールに返信してくれる。私は彼のお陰で、今後15年をかけて、心おきなく「下山の思想」(『下山の思想』五木寛之著・幻 冬舎より)を展開していく準備を整えることができた。